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【楽曲分析】もょょクラシック 第3回 〜最期の願い〜

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    「もょょクラシック」も第3回。来年4月に開催される「Premium Concert III」では、ドラクエVのほかに、アラカルトステージとして各ステージから選りすぐりの名曲たちを演奏します。。今回はそのアラカルトステージから解説いたします。

    解説はおなじみ(?)石口イライラv(^o⌒)-☆ がお送りいたします。

    ■ダンジョン〜塔〜幽霊船(III)
    ドラクエIIIのダンジョン系メドレーです。以前の解説にもありましたが、ドラクエIIIは初めてフルオーケストラを使用して演奏された組曲。また、日本最高レベルの実力を誇るNHK交響楽団を手に入れたことによって、すぎやま氏のオーケストレーションも効果的な技法がたくさん用いられています。

    この曲を読み解くキーワードは、ズヴァリ「半音階」

     冒頭から、上昇系の半音階による序奏、そのあとに主題が展開されます。アルト・フルート(普通のフルートよりも低い音がでます)による旋律は不気味ながらも美しいものですが、この旋律にもちょっとした仕掛けがあります。この不気味さを演出しているのが実は「半音階」。音の上下があるため普通に聞くとわかりにくいですが、この旋律の小節の頭の音を拾っていくと実は「半音階」に並んでいるんです。
    また、旋律もアルト・フルート⇒オーボエ⇒ヴァイオリンと展開していくことで、オーケストレーションで洞窟の奥の空間の広さも表現されていますね。

     続く「塔」。ホルンの導入から、チェロによる半音階の旋律が現れます。ここでも不気味な旋律の伴奏に薄いオーケストレーションを用いることで高所に吹く風なんかも感じることができますね。また、所々に7/8拍子の変形がはいることで、綱渡りの揺れや崩れかけた壁の不安定さを表現しています。だけど、この中にも「美しさ」が同居しているんです。

    そう、ここはシャンパーニュの草原にそびえたつ塔。何が起こるかわからない、傍らにはそんな不気味さや恐怖におびえる妻。だけど大丈夫、僕がついている。塔から見えるあのシャンパーニュのブドウ畑が僕たちを待っているこの困難を2人の愛で乗り越えてはるかに見えるシャンパーニュのブドウ畑でフランスパンのサンドウィッチと赤ワインで乾杯しようああどんな難敵も2人の愛の力の前にはかなわない!

    (コホン)

    そしてそして、曲はより現代的にかつ前衛的な響きの音楽「幽霊船」へ移っていきます。「半音階技法」が最もよく表れている曲です。まず、旋律の彩りには半音をぶつけ、緊張感のある響きを主体にして進んでいきます。また、ハーモニーを形作る伴奏が全くないことも特徴。あるのは常に規則的なリズムを刻むウッドブロックとハイハットだけ。規則的なリズムを用いて生命の色が全くない景色を作っています。
    このような和声的な緊張を主体にする中にも聞き苦しい点が全くないのもすぎやま氏の音楽。前衛的・無機的な音楽の中にも、どこかに血の通った願いも感じられます。

    それは、ゲームをやった方ならわかりますよね。愛です、愛。

    そして、最後の強烈な1音で、有機的なものをすべて断ち切ります。印象的に演奏されるこの音、何かの打楽器のようにも聞こえますが、これは弦楽器の特殊奏法です。弦を指板にたたきつける「バルトーク・ピッツィカート」という奏法がコントラバスによって演奏されているものです。(この奏法は「ジパング」にも出てきます)
    そのあとのフルートによる6連符、これも半音階技法によるものです。最後の魂が消えてなくなるような印象を残し、曲は閉じていきます。

    無機質な音楽の中にも感じられる有機的な力。冒険の中に潜む恐怖など、また音楽で感じてもらえればと思います。

    以上、解説の石口イライラv(^o⌒)-☆ でした。




    タイトル出典:G.ヴェルディ作曲 歌劇「運命の力」より

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